「韓国の飲み会マナーって厳しいって聞くけど、実際どうなの?」
「韓国人はなぜチャミスルをストレートで飲むの?」
そんな疑問を持つあなたへ——。
この記事では、韓国出身の私がリアルな視点で、韓国のお酒文化や日本との違い、現地ならではのマナー、そして最近の飲み会事情までを分かりやすく解説します。
これから韓国に行く方、韓国人の友人と飲む予定がある方はもちろん、韓国文化が好きな方にも読んでほしい内容です!
1. 韓国のお酒文化とは?
韓国ではお酒は、ただの飲み物ではなく、人間関係を築くための大切な“コミュニケーションツール”として根付いています。
昔ながらの飲み文化には、集団行動や上下関係を重んじる傾向が色濃く残っていて、ペースや種類もみんなに合わせるのが一般的。目上の人と飲むときは、日本よりも礼儀を重視する文化があります。
お会計の際は、年上や目上の人が払うことが多く、親しい友人同士では「今回は私、次はあなた」というように持ち回りで払うスタイルもよく見られます。
2. 韓国でよく飲まれるお酒
チャミスル(소주)
韓国焼酎「ソジュ」の代表格。日本では緑の瓶のもの=チャミスルと思われがちですが、実は「처음처럼(チョウムチョロム)」「좋은데이(チョウンデイ)」など地域によって愛されているブランドは様々。
基本的にはショットグラスでストレートに飲むのが主流。最近では果物フレーバーや炭酸入りの“飲みやすい系”も人気です。
ビール(맥주)
韓国産ビールの定番は「Cass(カス)」「TERRA(テラ)」「Kelly(ケリー)」など。日本と違って、普通の飲食店には瓶ビールが多く、生ビールは飲み屋に限られる傾向があります。
「サムギョプサル×ソジュ」「チキン×ビール(치맥)」のような“食事とのセット文化”があるのも特徴です。
また、ソジュをビールに混ぜて飲む「폭탄주(爆弾酒)」というスタイルも根強く人気です。
マッコリ(막걸리)
お米から作られた白く濁った伝統酒。
以前は「年配の人のお酒」という印象がありましたが、最近ではフルーツ味やウイスキー入りなど新感覚のマッコリも登場し、若者の間でも人気が高まっています。
その他のお酒
近年ではハイボールが若者の間でブームになっています。特に日本のサントリー角瓶を使ったハイボールは大人気です。アールグレイや果汁を加えたアレンジハイボールを売りにしているお店もたくさん見かけるようになりました。
また、ゼロシュガーやノンアル飲料の選択肢も増えていて、健康志向の若者にも支持されています。
3. 韓国の飲みの場でのマナー
目上の人と飲むときの基本マナー
- お酒を注ぐ・受け取るときは両手で
- 目上の人には右手で注ぎ、左手はグラスの底に添える
- 乾杯のときはグラスを目上の人より低く持つ
- 飲むときは顔を横にそらし、口元を隠して飲む
暗黙のルール
- 乾杯(건배コンベ/짠〜チャン)は1回だけでなく、場面転換や盛り上げ目的でも何度も行う
- お酒は自分で自分のグラスには注がない
- グラスにお酒が残っている状態で注ぎ足さない(空になってから)
これらのマナーは一見厳しく感じられるかもしれませんが、「相手を思いやる心」が根底にあると知ると、むしろ温かさを感じます。
4. 韓国のお酒文化の変化
コロナ以前の飲み会文化
コロナ以前の韓国では、大学のオリエンテーション(MT)やサークル活動、会社の飲み会があると、爆弾酒やお酒ゲームで、断れない空気の中で無理に飲まされるケースも少なくありませんでした。
一部ではそれが原因で事故や健康被害に繋がる深刻な事例もありました。
コロナ以降の変化
コロナ禍で“集まって飲む”文化が一時ストップしたことにより、特に若者世代を中心に価値観が大きく変わりました。
現在は、大学や会社でも飲み会の参加・不参加が自由になりつつあり、自分のペースでお酒を楽しむスタイルが主流に。無理に飲ませる空気は減り、ノンアルを選ぶ人も増えています。
5. おわりに 韓国ののお酒文化をもっと楽しく
韓国のお酒文化は、人と人との距離を縮めたり、みんなで場を楽しんだり、お互いを思いやる気持ちがマナーに込められているのが魅力です。
日本とはまた違う視点で「飲む楽しさ」を体験できる韓国。
もし韓国に行く機会があれば、こうした文化の違いにもぜひ注目してみてください。
(※この記事は韓国出身の私が、実際の経験や身近な話題をもとに構成しています)
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