アンニョンハセヨ。ボニです。
本日も前回に続き、韓国の若者がネット上でよく使うネットスラングや新造語を見ていきましょう。
고인물 コインムル
「고인물 コインムル」とは、’고인 물은 썩는다’ ’溜水は腐る’という韓国のコトワザから作られたネット流行語です。
ゲームなど特定の分野に対して一筋に打ち込んで極めた状態で、その状態が長く続いて停滞したまま衰退している状態。また、その集団に属した人たちを指す言葉です。
水が溜まったまま時間が経つと徐々に腐っていくのと同じように、特に新規ユーザーが少なく、もう流行っていないゲームなどでよく使われます。
안물안궁 アンムルアングン
「안물안궁 アンムルアングン」とは、’안 물어봤고 , 안 궁금해’ の韓国語の略語で、相手が言っていることに対して”聞いてないし、知りたくもない(興味ない)”と冷やかすときに使用される言葉です。
「ㄴㅁㅂ」とも使われますが、こちらは「초성 チョソン」と言ってハングルの子音のだけを使用した単語です。
ㄴㅁㅂは「누물보」のチョソンで、”누구 물어보신 분?”の略語をさらに子音だけ残した単語です。韓国のネット用語ではかなりこのチョソンだけの言葉がたくさんあって、韓国人でも言葉の意味を知らなかったら読めなかったりします。
ㄴㅁㅂの意味は”誰か聞いた人?”という意味で、掲示板の記事やスレッドの投稿者にその投稿の内容に関して恥をかかせるときに使う言葉です。
あるいは、スレッドの投稿者がのろけているのを見て羨ましいときに”ㄴㅁㅂ?”とコメントしたりします。
돈쭐 トンチュル
「돈쭐 トンチュル」とは、お金を意味する ‘돈’ + 叱りつけることを意味する ‘혼쭐‘の合成語です。
心温まる善行や人助けをしたお店や企業の商品を買ったり売り上げに貢献してお金(利益)で叱りつけてやろうという意味ですね。
‘혼쭐’は ‘혼쭐내다‘の形で後ろに’내다’をつけて動詞で使います。
‘돈쭐’も同じように ‘돈쭐내다‘の形で動詞で使います。
“정기적으로 기부까지 하는 가게라니 아주 돈쭐을 내줘야겠어요”
(定期的に寄付もしてるお店だなんて、トンチュルしたいとですね。)
영끌 ヨンクル
「영끌 ヨンクル」とは、’영혼까지 끌어모으다’ の略語で、直訳すると’魂までかき集める’という意味になります。
何かをする際に、魂まで掻き集めるような勢いで、死に物狂いで最善を尽くすという意味です。
家を買うためローンを組む際に”대출을 영혼까지 끌어모아서 사야한다” (ローンを魂までかき集めて買うべきだ)の形でよく使われます。
それ以外にも、バストを大きく見せるためにバスト周りのお肉を一生懸命かき集める際にも用いられます。
스불재 スブルジェ
「스불재 スブルジェ」とは、’스스로 불러온 재앙’の略語で、’自らもたらした災い’という意味になります。
張り切って自ら始めた物事が自分の能力不足や色んな要因で壁にぶつかって思い通りに進まなかったときや、手に負えないときに用いられます。
자만추 チャマンチュ
「자만추 チャマンチュ」とは、’자연스러운 만남을 추구’の略語で、’自然な出会いを追求する’という意味です。
恋人を探すときに知人の紹介やお見合い、出会い系アプリを使わずに自然な出会いを求めることです。サークル、趣味などの集まり、学校、職場など、自分が属している環境の中で自然に発生する人間関係を通して恋人を見つけようとすることです。
인만추 インマンチュ
「인만추 インマンチュ」とは、’인위적인 만남 추구’の略語で、意味は’人為的な出会いを追求すること‘
つまり、 ‘자만추’の反対の意味になります。
知人の紹介、お見合い、出会い系アプリ、結婚相談所など、人為的な方法を通して恋人を見つけることです。こちらはコロナ以降需要が増えているそうですね。
분조장 ブンジョジャン
「분조장 ブンジョジャン」とは、’분노조절장애’の略語で、これは正式名称ではなく、正式名称は ‘간헐적 폭발성 장애’日本だと「間欠性爆発性障害」と呼ばれる衝動抑制障害の種類の一つの病気です。
怒りの感情を爆発させ、攻撃的衝動に抵抗できずに、ひどい暴力行為をふるったり所有物を破壊する病態を指します。
実際韓国ではこのブンジョジャンによる犯罪が度々発生しているんですが、通り魔による無差別殺傷事件をおかす犯人が自分の暴力的な行動をブンジョジャンという障害のせいにすることが多いです。
しかし、こういう人による犯罪の被害者のほとんどが社会的弱者で、強そうな若い男性の前だとひるんで暴力的な姿を見せない場合が多いです。
このように強者と弱者の前で態度を変えることを‘분노조절 잘해‘ (怒りの調節がよくできる)と呼んでいて、ネット上ではこういう人たちを’선택적 분노조절장애‘(選択的 ブンジョジャン)と嘲笑っています。
本当に障害を持っている患者だと、人によって態度を変えたり怒りを抑えることは難しいらしいので、自分がブンジョジャンだと主張する加害者のほとんどは十分に感情を抑えられるにも関わらず、弱者の前だと狂暴になるということです。
それで最近の韓国では、ブンジョジャンは本当の障害を持っている患者のことを指すのではなく、このような怒りを色んなところにぶちまけたり、平気で人を傷つけるような行動をする人に対して使われています。
ブンジョジャンに似た言葉で’강약약강‘という言葉があるんですが、 ‘강자에게 약하고 약자에게 강함’ の略語で、’強者には弱く、弱者には強い‘という意味です。
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